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内部監査に向き合う Part.08 - 監査手続① -

  • 執筆者の写真: 長嶋 邦英
    長嶋 邦英
  • 4月6日
  • 読了時間: 5分

 内部監査は会社・従業員にとってとても大切な働き・役割です。その働き・役割を遂行するためには、知識と経験と心構えが大切だと思います。それらをいったん振り返って整理し、さらに実践に役立つ戦略・戦術として活かすことを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 今回は監査手続①です。







監査手続に必要なこと①

 今回の記事から監査手続について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 皆さんもご存知のとおり、内部監査の監査手続とは、内部監査担当者が内部監査業務を遂行するために必要な内容をまとめたもの(=監査手続書)となります。この監査手続書は決まったフォーマットはありません。作成する内部監査の皆さんの好きなように作成することをお勧めします。ただ、これを初めて作成する方もいらっしゃるかもしれませんので、私が普段作成している監査手続の項目を簡単にご紹介します。


【監査手続書の項目・作成例】

  1. 監査テーマ

  2. 監査目的

  3. 監査実施期間

  4. 監査対象期間

  5. 監査担当

  6. 監査内容

  7. 監査方法

  8. 監査資料

    など


 これらの項目はあくまで参考としてください。皆さんの好きなように作成したら良いかと思います。また、これらの項目が必ず必要というわけではありませんし、逆にもっと項目を増やしても良いと思います。それに、監査経験を積むたびにそのフォーマットを改良することも素晴らしいです。ぜひ皆さんなりの良い形の監査手続書フォーマットを作成することをお勧めします。

 上で挙げた項目のうち、私が特に重要と考えている項目は「監査目的」です。以前の記事で監査テーマについてご紹介(「内部監査に向き合う Part.05 - 監査テーマ① -」、「監査テーマ②」、「監査テーマ③」をご参照ください)しましたが、監査テーマを挙げたときに、なぜこの監査テーマなのか?、なぜいまこのタイミング(時期)で監査するのか?、この監査で何が得られるのか?(企業価値の向上につながるのか?、不祥事の未然防止なのか?など)、このような内容がギュッと詰まったものであると良いと思います。逆にこのような内容でなければ、以前ご紹介したように監査目的がすり替わってしまうことになりかねないからです(「内部監査に向き合う Part.06 - 監査テーマ② -」をご参照ください)。監査目的がしっかりしていれば、監査結果として内部監査の皆さんだけでなく会社の従業員の皆さんにも「得られるもの」があります。逆に監査実施しているうちに監査目的がブレてしまった、監査目的から外れた監査を実施してしまったときは、その監査結果で「得られるもの」は期待できるものではないかもしれません。ですから、この監査目的をしっかりと考えたうえで監査テーマを挙げ、監査手続を作成することをお勧めします。



監査手続に必要なこと②

 監査手続書を作成するにあたりもうひとつ必要なことは、監査手続書は用紙1枚程度にまとめることです。考え方としては、その監査手続書は最終的に「監査報告書の鏡(表紙)部分」として使用できるようなものとして作成する感じです。ですから、各項目の記載内容は簡潔に、箇条書きで、必要な内容がまとまっていることが大切です。

 監査手続書自体は内部監査の皆さん以外の方が閲覧するようなことはないので、どのようなことを書いてもよいと考えるかもしれません。しかし、いざこの監査手続書が監査報告書の鏡として使用されるとなると、代表取締役のほか社内関係者(経営者層、役職者など)が閲覧することとなります。このとき、その内部監査がいくら十分な成果・効果がある監査結果を報告しようとしても、監査手続書の記載内容が芳しくないものであったら閲覧した皆さんからの反応・評価は期待していたものではないかもしれません。だからと言って、監査報告をより良く見せるためにあとから監査手続書を書き直すようなことはお勧めしません。ですから、監査手続書の記載内容は簡潔に、箇条書きで、必要な内容がまとまっていること、いつでも社内関係者が閲覧できるように準備することが大切である、ということになります。



 これから数回に分けて監査手続(書)について皆さんと一緒に考えていきますが、監査手続(書)はとても大切で、難しくて、これほど内部監査の皆さんそれぞれの個性・考え方等が如実に表れるものは無いと思いますので、ぜひ時間をかけてじっくりと検討・考えて作成することをお勧めします。できればお一人で作成するのではなく、内部監査部門の皆さんで力を合わせて、代表取締役や監査役等のご意見を聞きながら作成するのが一番良いと思います。






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当社が提供する「内部統制・内部監査体制構築」サービスでは、


  1. IPO準備中企業の内部統制体制の構築とその業務内容の確立をサポート支援いたします。

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 この機会に、ぜひ内部統制のあり方、必要性をご理解いただき、内部統制の体制構築/再構築をご検討ください。



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