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内部監査に向き合う Part.06 - 監査テーマ② -

執筆者の写真: 長嶋 邦英長嶋 邦英

 内部監査は会社・従業員にとってとても大切な働き・役割です。その働き・役割を遂行するためには、知識と経験と心構えが大切だと思います。それらをいったん振り返って整理し、さらに実践に役立つ戦略・戦術として活かすことを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 今回は監査テーマ②です。







監査テーマのネタ集め・ネタ作り②

 前回の記事「内部監査に向き合う Part.05 - 監査テーマ① - 」で「監査テーマのネタ集め・ネタ作り」では、いざというときに監査テーマをいくつも挙げることができように監査テーマのネタ作り・ネタ集め+「日頃の気づき」をしているとご紹介しました。これは、私が内部監査の業務を担っているときに行なっていることです。無理に監査テーマのネタ集めをしても、会社がそのときに求めている監査なのか?そのテーマは会社の企業価値向上につながるものなのか?そのような視点で集めたネタを振り返ってみると、あまりパッとしないことが多いかもしれません。

 その原因として考えられるのは、「内部監査は直接業務を行わない、独立した部門」ということを強く意識しすぎることではないかということです。もちろん独立した部門でなくては客観性をもった内部監査が実施できないのですが、これを普段から強く意識しすぎることで、根本的なものが見えにくくなってしまうかもしれません。例えば社内で不祥事が発覚した際に会社は調査委員会を立ち上げますが、その目的は「不祥事の原因究明」だったハズがいつしか「犯人探し」が目的にすり替わってしまうようなケースです。もちろん不祥事・不正行為を行なった方の行動が引き起こした不祥事・不正行為であることには間違いありませんが、その会社のステークホルダー(株主、取引先、顧客等)は「不祥事・不正行為を行なった方は誰なのか?」を知りたいわけではありません。その不祥事・不正行為が今後発生するような状況・状態(例:業務プロセス、規程類、組織等)の改善策を求めていると思います。東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)をご覧になるとわかるように、不祥事事案の調査報告の最後には必ず「改善策」があります。ステークホルダーはその改善策の内容を確認することで安心感を持ち、逆に改善策が無い/内容が薄いものであればその会社から離れていくことも考えられます。少し話が外れましたが、内部監査を実施することは、業務/従業員等に対する監視ではありません。「内部監査は、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメントおよびコントロールの妥当性と有効性とを評価し、改善に貢献する。経営環境の変化に迅速に適応するように、必要に応じて、組織体の発展にとって最も有効な改善策を助言・勧告するとともに、その実現を支援する」(一般社団法人日本内部監査協会「内部監査基準」1ページより引用)ことが目的です。ですからその目的のためにも、普段から社内の業務状況を知り、もし他社には無い特別な状況・状態(例:独自の業務ルール、独特な事業推進スタイルなど)があればそれを把握し理解する等、それらを踏まえてその会社の業務の適正性、効率性等を確認することが、内部監査に求められていると考えます。


 このように考えると、監査テーマのネタ作り・ネタ集めはスムーズに行うことができると思います。ここにもう一つ加えていただくと良いのが「日頃の気づき」です。



監査テーマに差が出る「日頃の気づき」

 以前の記事「内部監査の在り方 Part. 09 - テーマ監査④ - 」で「内部監査の業務に必要なスキルは何か?と聞かれるとき、私は「気づき力です」とお答えします。」とご紹介しました。これは実際に内部監査を実施するときもそうですが、監査テーマを挙げる作業のときにも大きな力となります。逆に、この気づき力が無いときの監査テーマは、監査の内容や企業価値の向上への貢献度合いが少々薄いように感じられます。前項の繰り返しになりますが、内部監査を実施することは、業務/従業員等に対する監視ではありません。ですから普段から社内の業務状況を知り、もし他社には無い特別な状況・状態があればそれを把握し理解する等、それらを踏まえてその会社の業務の適正性・効率性等を確認することが、内部監査に求められています。ですから内部監査は社内をよく知って理解し、社外の状況・環境等を把握することが大切だと考えます。知る・理解する・把握するためには、「待ち」の状態ではできません。日頃から自ら進んで情報を収集したり、各部門・部署とのコミュニケーションが必要となります。そのなかで気づくことがとても大切だと思います。


 気づき力は、監査テーマを挙げる際に必要な要素です。社会環境・業界等社外で起こっている状況に気づき、社内の業務環境・業務遂行の状況等から各種のリスク防止・企業価値の向上に資する監査テーマに気づく。この気づき力は、熟練した内部監査皆さんでなければできないことではありません。新任の内部監査の皆さんやこれから内部監査を目指そうとお考えの皆さんでもできると思います。監査テーマのネタ作り・ネタ集めのスキルは年月を重ねて積んでいく・磨いていくことが必要ですが、気づき力は年月を重ねる必要はありません。新任の内部監査の皆さんやこれから内部監査を目指そうとお考えの皆さんは、ぜひ、まずはこの気づき力を強みにすることをお勧めします。



 今回は監査テーマに必要な要素=気づき力を考えてみました。これが有るのと無いのとでは、大きな差が出ると思います。ぜひ「気づき力」を身につけることをお勧めします。





当社が提供するサービスとして


当社が提供する「内部統制・内部監査体制構築」サービスでは、


  1. IPO準備中企業の内部統制体制の構築とその業務内容の確立をサポート支援いたします。

  2. 上場企業の内部統制体制の再構築、業務内容の改善をサポート支援いたします。

  3. IPO準備中・上場企業の内部統制にかかる業務の業務委託受託先(外部)として業務遂行いたします。(*内部統制責任者として、社内に1名選任をお願いします。)


 この機会に、ぜひ内部統制のあり方、必要性をご理解いただき、内部統制の体制構築/再構築をご検討ください。



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