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内部監査に向き合う Part.01 - 姿勢 -

  • 執筆者の写真: 長嶋 邦英
    長嶋 邦英
  • 2月16日
  • 読了時間: 7分

更新日:2月19日

 内部監査は会社・従業員にとってとても大切な働き・役割です。その働き・役割を遂行するためには、知識と経験と心構えが大切だと思います。それらをいったん振り返って整理し、さらに実践に役立つ戦略・戦術として活かすことを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 今回は内部監査としての姿勢についてです。









内部監査を正社員採用するときの悩み

 会社の代表者との面談やメール等のお問合せでよく聞かれることがあります。それは「内部監査担当者を正社員として採用するにあたって、どのような方を採用すれば良いか?」です。現在では内部監査人(一般社団法人日本内部監査協会)や公認内部監査人(CIA・The Institute of Internal Auditors:内部監査人協会)などの資格制度がありますのでそれらの資格を有する方を採用するという考えがありますが、私としてはお勧めできるかどうかはわかりません。もちろん内部監査に関する知識があれば内部監査の業務に従事しやすく役に立つと思いますが、その知識と資格を有していることが前提の業務であるとは思えないからです。内部監査に従事している皆さんならご理解いただけると思いますが、おそらく内部監査に関する知識だけで業務を遂行している方は少ないでしょう。例えば、元は経理職や私のような法務職、またはその他の職を経験した方々が自ら進んでまたは社内の諸事情によって内部監査職に就かれている方が多いと思います。それは前職での知識と経験などがあるからこそ、会社から内部監査職に任命され、知識と経験を大いに活かしながら実力を発揮し、その会社にとって大切な存在になっていくものなのではないでしょうか。


 内部監査の業務を行うにあたっては、その会社の従業員の皆さんが業務を正確かつ効率的に遂行されていることを確認し報告することを、私は大切にしています。もちろん社内の業務で間違いや不正を検出(発見)したときは、それを指摘し代表取締役に報告のうえ是正するように勧告しますが、その間違いや不正を見つけることが本分(本来の業務)では無いと思っています。もし内部監査の業務が「仕事の間違い探し/粗探し」と従業員の皆さんから思われていたら、内部監査の立場としてとても悲しいですし、やる気も削がれてしまいます。ですから、そのような誤解を招かないためにも内部監査を担う側で何かしらの工夫が必要なのでは無いかと考えています。その工夫の一つは「姿勢」です。



内部監査の姿勢について

 内部監査の皆さんには、良いこと/悪いことをハッキリと言う(または指摘する)ことができる方が多いと思いますが、例えば内部監査を実施した際に不正行為では無いものの規程等で決められていることを微妙に外れている事象に対し、皆さんはそこでその点について明確な根拠・理由を挙げて指摘を行えるでしょうか。単に規程等を含む法令遵守等の理由を挙げて説明していたら、それは不十分かもしれません。滅多にはありませんが、もしかすると社内の規程や業務マニュアル等が法令遵守していなかったり実態に合っていないこともあり得ます。内部監査の業務には、業務の誤りを指摘するだけでなく、規程や業務マニュアルと実際の業務の整合を確認したり是正の指摘を行うことも含まれています。ですから内部監査は、知識だけではなく各部門で培った業務経験も必要ですし、会社によってはそれを重要視することもあるでしょう。そしてここにもうひとつ、内部監査の皆さんの姿勢が必要になります。


 私たち内部監査に従事する者にとって「姿勢」はとても大切です。その姿勢とは、次のとおりです。


【内部監査の姿勢】

  1. 内部監査の業務に従事するときの「姿勢」

  2. 監査対象である従業員の皆さんに対する「姿勢」


 内部監査の皆さんが業務に従事するとき、どのような「姿勢」(心構え、態度:デジタル大辞泉(小学館)より)で望まれているでしょうか。私の場合は「企業価値の向上に資するための内部監査」を念頭に置いています。これは内部監査基準(日本内部監査協会)にあるとおり、

第1章 内部監査の本質 1.0.1 内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメントおよびコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を、内部監査人としての規律遵守の態度をもって評価し、これに基づいて客観的意見を述べ、助言・勧告を行うアシュアランス業務、および特定の経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務である。

(出典:内部監査基準2ページ)


ですから、業務の間違いや不正は指摘して改めてもらい、正しい業務遂行または素晴らしい業務遂行が行われているときはそのことも必ず監査報告に記して代表取締役に報告します。不正行為の疑いのあるときの業務監査(または特命監査)においては、単なる不正・間違い探しや粗探しではなく、何が・どこに不正行為の温床となる原因があるのかを究明し、不正行為の再発防止策を検討するための材料を揃えることを心がけています。(※実際に再発防止策を検討し対応するのは部門・部署ですので、内部監査は行いません。)不正行為の温床は、もしかするとその会社の業務管理体制にあるかもしれません。業務管理体制に100%完璧な正解はありませんが、各部門・部署において適宜PDCAを繰り返して改善を行うことができるような習慣と不正行為ができない社内環境を構築していく必要があります。これに並行して、正しい業務遂行または素晴らしい業務遂行が行われていることは会社の企業価値を向上させる要因ですから、内部監査はその点を踏まえて従業員の皆さんが会社に評価してもらうため、ひいいては企業価値の向上に資するものとして監査報告にまとめて報告し、会社がこれに基づいて評価することも必要ではないでしょうか。ここで内部監査の皆さんの独立性と客観性、これに基づく姿勢が問われることとなると思います。


 加えて、従業員の皆さんに対する姿勢も大切です。会社の企業価値の向上に貢献したいと考えるのは従業員の皆さん全員一緒であり、ただ部門・部署、担当する業務という立場が違うだけです。先ほども触れましたが、不正行為を見つけるだけでなく正しい業務遂行または素晴らしい業務遂行が行われていることを見つけたら、そのことも監査報告に記す旨を監査対象である部門・部署に伝えることをお勧めします。素晴らしい業務遂行の内容は社内に共有する方が良いです。良い内容は社内に共鳴します。そのことだけでも、不正行為が発生しない社内環境にすることができます。ですから、監査報告を代表取締役等に報告する際は、必ず監査対象の部門・部署へのフィードバックを忘れずに行ってください。

 内部監査の実施または内部統制の評価の際に資料提出を部門・部署に依頼しますが、このときにも部門・部署の業務遂行状況等に配慮したかたちで依頼することをお勧めします。資料提出の依頼をすれば、従業員の皆さんの業務の手を止めてしまいます。ですから部門・部署の業務遂行状況等に十分に配慮したタイミングと依頼するときの連絡内容にすることが大切です。


 従業員の皆さん全員が目的としている「企業価値の向上」のために、内部監査は何ができるのかを考えてみることをお勧めします。






当社が提供するサービスとして


当社が提供する「内部統制・内部監査体制構築」サービスでは、


  1. IPO準備中企業の内部統制体制の構築とその業務内容の確立をサポート支援いたします。

  2. 上場企業の内部統制体制の再構築、業務内容の改善をサポート支援いたします。

  3. IPO準備中・上場企業の内部統制にかかる業務の業務委託受託先(外部)として業務遂行いたします。(*内部統制責任者として、社内に1名選任をお願いします。)


 この機会に、ぜひ内部統制のあり方、必要性をご理解いただき、内部統制の体制構築/再構築をご検討ください。



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